俺は花と鉢を買いにホームセンターにやってきた。花を一通り見て、マリーゴールドを植えることにした。いい感じの鉢を探しにうろついて夕方の涼しい風が吹いたとき、ものすごく奇妙な感覚に襲われた。
俺はゲームのキャラクターで誰かに操作されている。操作している人を仮に上位者、と呼んでみる。今上位者は俺を通して鉢を選んでいるんだけど、夕方の風があまりに気持ちよくて、（上位者的には気持ちよさそうで、かもしれない）上位者はゲームを遊んでいることを忘れて俺と一体になり、夕方の風の気持ちよさ、青空の美しさにうっとりしている。
ゲームに熱中していると、まるでキャラクターが自分自身に思えるようなときがあるのだけど、今回は逆のパターン。自分自身がキャラクターでだれかに熱中されたんだ。なんにせよ、今日はとても気持ちがいい。体の調子は悪いが、風が気持ちいい。
